同窓生だより

「昔も今も変わらないものは」

幼児教育科5期生  森 千春さん(久留米信愛だよりNo.55)
 令和になり、初めての信愛祭。爽やかな秋晴れの一日でした。私の娘は幼児教育学科卒業後2年と少し地元の保育園に勤務、そして後に幼い頃から大好きだった絵を描くことを生かしてにがお絵屋を始めました。そしてありがたいことに信愛祭にて出店させていただけるということになり、私もお手伝いで参加しました。懐かしい先生方は昔とお変わりなくお元気で、親子共にお世話になった先生もたくさんいらっしゃって、昔の思い出話等で盛り上がりました。自分と娘の学生の頃の違いを比べても、信愛の歴史を改めて感じました。私の在学中の服装は黒いスーツにアイボリー色(!?)のブラウス、くつ下は白色だったような気がします。その後、制服のデザインが変わったりしましたが、娘の時代は私服となり「自由でいいなー。」と思いながら見ていました。その反面、友達と「今どき制服なんて高校生みたいねー。」とグチを言いながらも、ちょっと愛着を持ちながら制服を着ていたあの頃を懐かしく思い返したものです。秋の高い空を見ながら感慨深く楽しい一日を過ごすことができました。思い返せば先生方は、今と同じく昔も私たち一人ひとりに心を寄せ、親身にいろいろと温かいご指導をしてくださっていました。時々愛のムチをいただくこともありましたが。マンモス大学に通う友達に話すと、びっくりされるくらい先生と学生との距離が近くて、とても安心感があったように思います。娘がお世話になっていた時、保護者の立場になってからもそれは感じられ、2年間の娘の学生生活を見守ることができました。本当にありがとうございました。そして今、自分の可能性を信じ新たな道に挑戦している娘を先生方がまた応援してくださっていることに心より感謝しています。現在、男女共学の信愛学院となり、学内の雰囲気もかなり変わってきているようですが、在学生の皆さんは先生方が創立時から大切にしてこられている「自己を他者に生かす」という目標を忘れずに頑張ってほしいです。卒業し一人ひとりがそれぞれの道を歩き始め、順調に進める時もそうでない時もあると思います。どんな時も信愛の先生方は卒業生みんなのことを応援し、いつまでも心の支えになってくださることを忘れないでほしいと私は願っています。
 

「思いを込めて」

生活学科22期生  中村 二三代さん(久留米信愛だよりNo.55)
 結婚を機に退職し、現在兵庫県に住んでいます。子どもたちは大学生になり、子育てにも一段落し、改めて自分自身と向き合う時がきたように思う今日この頃です。
 私は今、専業主婦です。生活していく中で「食」というのは、最も大切なことの一つです。学生時代、いろいろと学んできたことを生かせていると思っています。しかし、完璧にしているか?と問われると、微妙です(笑)。でも、こだわりを持っていることがあります。それは「行事」を通して食育をしていくことです。身の回りには、年中手に入る食材もあり、旬を感じることはなかなかできづらいですが、いろいろな季節の行事には特別な食べ物があり、意味があります。普段と違い特別メニューになります。子どもが小さい時には、盛り付けを工夫しました。楽しい雰囲気の中で食卓を囲み、いろいろと話をしてきました。そのことが思い出となり、少しでも「食」に興味を持ってくれたらとの思いを込めてきました。
 娘が寮生活で自炊を経験しました。
 「○○料理の作り方を教えて。」
 「お母さんの料理が懐かしい。お母さんの味はどうすれば出せるの?」
と、尋ねられたことがありました。娘の甘えや愚痴から出た言葉です。作り方を教え、頑張りなさいと言いつつも、親バカになりますが、自分で作ろうという意志が芽生えたこと、料理に興味をもちはじめたことをうれしく思いました。娘の中に私の味が育っている。思いを込めていれば、いつか何か伝わるものだと感じました。
 昨年、久しぶりに同窓会に出席しました。母校は、私が卒業した時とは変わり、「フードデザイン学科」となり、栄養士免許はもちろんのこと、フードアナリスト、食空間コーディネーターなども取得でき、男女共学になっています。時代の流れと共に変化しています。多くの人に学ぶ機会が増えたことをうれしく思いました。卒業生には、同窓会に来てもらい、知ってほしいと思いました。
 私自身これから先は長く、新たなことにも挑戦できると思っています。これからも思いを込めて伝えていこうと思います。

「同窓会総会を開催しました」

同窓会会長 食物栄養科1期生  石井 妙子さん(久留米信愛だよりNo.54)
 平成30年度同窓会総会を、平成31年2月3日(日曜日)にハイネスホテル久留米にて開催しましたので、報告させて頂きます。
 平成29年度に、役員が大幅に代わりました。従来の同窓会役員は、そのほとんどが学内教職員で構成されて、確実に円滑に同窓会運営を遂行されてきました。一般会員からみて、より身近に同窓会を感じ、自分たちで支えなければという気概をもってもらうために、敢えて学外のメンバー中心の役員構成にしました。その新メンバーで取り組む初めての同窓会総会の企画で、何回も土曜日の午後に集まり「参加者増!」を合言葉に、幹事さんたちと共にアイデアを出し合って工夫しました。例えば、2親等でのペア参加であれば参加費の50%引き、3人組みで申し込むと参加費10%引きと特典を設定して多く参加してもらう仕掛けをしたり、信愛にまつわる菓子(古賀庄とコラボの“くるめ信愛菓”、ぶどうの樹とコラボの “ココナッツドーナツ”、アズールの信愛学章プリントクッキーとアイシングクッキー、信愛学章焼き印の“千鳥饅頭”)の販売の企画、信愛の変遷をスライドで流すべく、図書館や短大事務室にある卒業アルバムから手分けしてセレクトしたりと、準備の大変さよりわくわくの期待感がまさる作業だったのではないかと思います。また、「同窓会声かけラジオ」に出演して広報もがんばりました。しかし、残念ながら参加者増には繋がらなかったようです。
 総会では、①同窓会名称について②同窓会会則の改訂についての2項目について審議しました。①については学校名が「久留米信愛短期大学」に名称変更されたことに伴い、同窓会の名称をどうするかということで、現名称も残し併記することになりました。しかし、併記の仕方については、今後の検討課題となります。②は、「第6条(役員)」について、現状に鑑みて会計3名を2名に、「第11条(議決)」について、従前、総会の議決で成立としていたものを、毎年開催の定期役員会で審議・成立し、2年に1回開催の総会で報告することになりました。その後、2年間の活動と会計にかかわる報告をしました。

「平成30年度 同窓会総会・懇親会を終えて」

同窓会幹事代表 食物栄養科18期生  眞部 真紀子さん(久留米信愛だよりNo.54)
 母校は、2018年4月から男女共学となり、学校名が「久留米信愛短期大学」に変更されました。その第1回目の同窓会総会および懇親会を2019年2月3日にハイネスホテル・久留米にて開催しました。
 懇親会の幹事は食物栄養科第17・18期および幼児教育学科9・10期でした。関学長様をはじめ恩師の皆様15名のご出席を賜り、同窓生の参加者46名とともに楽しいひと時を過ごすことができました。
 懇親会の前に、「聖書の教える愛」をテーマに長崎南山中学・高等学校長の西経一神父様に講演をしていただきました。「神父様のお話をお聞きするのは何年、いや何十年ぶりだろう」と楽しみにしていた同窓生も多く、その期待以上に、神父様のお話は、信愛を卒業し忙しい日々を送ってきた私たちの心に沁み入るものでした。さらに神父様の話術にはまり、お腹を抱えるように大笑いしながらも、忘れかけていた「聖書」や「愛」について思い出させてくれるお話でした。
 懇親会では、懐かしい先生方との語らいや、先輩後輩を超えた楽しい会話に盛り上がり、改めて母校と同窓会の強い絆を実感しました。
 最後になりましたが、ご参加いただきました先生方、同窓生の皆様に厚く御礼申し上げます。また幹事担当ではないにも関わらず、お手伝いいただいた同窓生の皆さまにも感謝申し上げます。次回の総会および懇親会で皆様と再会できることを楽しみにしています。

「女子高で育まれて」

幼児教育科1期生  黒岩 雅子さん(久留米信愛だよりNo.53)
 信愛女学院が今年の春から男女共学となり、信愛学院になるという話を耳にした時に「えっ?女という字がなくなるの…」と心がザワザワっとしました。でも学院の発展を考えるとこれは必要なバージョンアップ!なんて素敵なこと!
 私自身様々な場面に出会った時に、なるべくポジティブに受け止めて前を向いていこうと考え日々過ごしていますが、学生の時はどうだったのか・・・思い返すと壁にぶつかる度に、どうして?と思い悩むことも多かったように思います。
 当時の学長シスター黒木先生から、「女性は常に謙虚でなければいけません」と教えられていましたが、当時は「どうして女性だけ謙虚でなければいけないの?言いたいことははっきり言いたい!」と心の中でモヤモヤしたものでした。しかしながら時を経ていくうちに「謙虚でいる」ということがどういうことなのか少しずつ理解出来たかと思います。不満ばかりを周りにぶつけていても、何も良い方向には向かわないのです。一歩下がって謙虚に事実を受け止めると、自分の至らない部分や改善しなければいけない点が見えてくるようです。もし、このことを身に付けずに生きていたら、少しのことでも衝突を生み刺々しい日々を過ごしていたかもしれません。仕事をしていく上で、また結婚してからの家庭生活の様々な場面でこの言葉に支えられていたように思います。いつも穏やかに・・・とはいきませんが、信愛で学んだことにより、女性ならではの身のこなしや考え方を会得することが出来たように思います。これからの日々も「謙虚に」生きていきたいものです。
 

「どうする同窓会」

同窓会会長 食物栄養科1期生  石井 妙子さん(久留米信愛だよりNo.53)
 何もかもを真っ赤に染めた夕焼けを背に帰路につくとき、その美しさに感動し自然の恵みに感謝しながらほっこりとした気持ちになります。厳しかった冬の寒さを経て、春爛漫の季節を迎えました。春といえば、今年の新たな会員が巣立ちの時を迎えました。その前途に幸あれ!
 昨年、外部役員を主メンバーに新役員体制がスタートし、「より身近な同窓会・集まりやすい同窓会」を目指しているところですが、同窓会名簿作成ひとつをとっても交代したばかりで名誉顧問のお力を借りて、悪戦苦闘しているのが現状です。しかし、今年は2年に1度の同窓会総会の年で、総会を盛り上げるべく集中して総力で企画・運営に当たり、成功裏に終わらせることを目標に頑張りたいと思います。多くの同窓会会員の皆様のご参加を願っています。
 学び舎である久留米信愛女学院短期大学は50周年を節目に共学化し「信愛ひらくプロジェクト」として男女の区別や年齢の差などにとらわれることなく、全ての学びたい人に門戸を開く短大として生まれ変わります。しっかりと検討を重ね勇気ある決断をしてのかじ取りではありますが、在学生、講演会、同窓会、教職員、それぞれの理解と支援が今こそ必要です。
 同窓会自体も、生まれ変わりと「ひらく」を掲げて進化しなければなりません。組織を強固なものにしてはじめて母校への見守りと支援ができるのだと思います。母校に誇りをもち懐かしく思う気持ちを胸に同窓生が集う嬉しさを共有できればと精進します。

「心の支えである母校」

幼児教育科5期生  髙柳 恭子さん(前同窓会会長)(久留米信愛だよりNo.52)
 平成15年3月に開催された同窓会総会において、初代石井妙子会長の後任を引き受け、2代目会長となってから14年、先輩方が守ってこられた伝統と歴史を顧み、身に余る光栄とともに、責任の重大さを痛感したことがよみがえって来ています。
 平成29年2月12日に開催された「久留米信愛女学院短期大学創立50周年記念同窓会総会」に於いて、初代石井妙子会長が再び選任されて、3代目会長が誕生致しました。
 伝統は単に歴史を刻んだものではなく、時代に反映し、時には時代を先取りして、あらたな事象、確信を生み出し発展してきたものだと思います。その伝統に立脚し、「会員相互の親睦を図り、母校の発展を期する」とする同窓会の目的に沿うべく、短期大学創立50周年の節目の年に、いままでの歴史を築き上げてきてくださった1期生であり、初代会長である石井妙子先輩が、会長を快く引き受けてくださったことに感謝申しあげます。50周年を迎えた母校が100周年に向けてあらたな一歩を踏み出す時に、同窓会も原点に返りあらたな一歩を踏み出すことに、母校と共に歴史を作れることに嬉しさを覚えています。
 今年度は、創立50周年記念同窓会として、各学科の1期生4名のシンポジストをお迎えして、「シンポジウム」を開催しました。シンポジストの方々の心の支えとして「母校で学んだ信愛教育、心の教育」が根底にある事の想いを語ってくれました。私自身も同じ思いです。私を育ててくれた母校への恩返しとして、石井新会長を微力ながらお支えして協力していく所存です。
 私たち同窓生の心の支えでもある母校は誇りです。無限に可能性あふれる大学にするためにも、皆さまのお力添えは必要不可欠です。どうぞ同窓会へのご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
 

「久留米信愛女学院短期大学創立50周年記念同窓会を終えて」

同窓会幹事代表 ビジネスキャリア学科7期生  眞木 采日女さん(久留米信愛だよりNo.52)
 聖母マリアの導きと微笑みに見守られた母校、久留米信愛女学院短期大学の創立50周年を記念して、去る平成29年2月12日(日)午前10時30分より、ハイネスホテル久留米にて「久留米信愛女学院短期大学創立50周年記念同窓会総会」を開催いたしました。
 総会では、滞りなく議事が進行し、役員改選では、同窓会会長が髙柳恭子さんから石井妙子さんに全員一致で承認され交代となりました。
 シンポジウムでは短期大学1期生として現在の母校を築かれた食物栄養科1期生の石井(旧姓山下)妙子さんをはじめ、幼児教育科1期生の黒岩(旧姓友田)雅子さん、生活文化学科1期生の中村真子さん、ビジネスキャリア学科1期生の荒木沙也香さんの4名をシンポジストととしてお迎えし、「信愛とわたし」と題して、短大時代に培ったこと、恩師からの忘れられない言葉など信愛での思い出話や、現状の想いなどをお聞きすることができました。卒業してからもそれぞれ信愛に関わりを持っておられ、いまも信愛に学ばされていること、卒業してからも足を運ばれていることがわかりました。後輩に向けて、「困ったときは戻ってきてほしい。女子にしかできないことをこれから先もしてほしい。自発的に生きてほしい。学生生活を純粋に楽しんでほしい。」とそれぞれに思いを語られました。
 懇親会では、母校を代表して理事長シスター横田君代先生よりご挨拶をいただきました。久しぶりの恩師や友人との再会に、思い出話に花が咲き、懐かしく楽しい一時を過ごすことが出来ました。
 最後になりましたが、恩師の先生方、同窓生の皆様のご出席を賜り、ありがとうございました。盛会のうちに無事終了することができ、深く感謝申し上げます。

「それぞれの暮らし」

食物栄養科14期生  内藤 晴美さん(久留米信愛だよりNo.51)
 平成九年。人生が八〇ページの本だとすればまだ三十五ページ目をひらいたばかり。これから一気に盛り上がって行くところ…。と書かせていただいた。あれから物語は五十三ページ目へと進んでいる。  住まいは大阪から愛知県へ、五年ほど前からはシングルになり、大学四回生の娘と二人だけで暮らしている。専門学校に二年通って介護福祉士の資格をとり、正社員として介護施設に勤めて丸三年が過ぎてやっと落ち着いた暮らしになってきた。
 たくさんの人に支えられて全力で走ってきた五年間だった。
 先日、五年ぶりに帰省した際、短大のクラスメート十名ほどで食事をすることができた。卒業後、初めて会う人もいて、近況報告は緊張した。
 シングルになったことを自分の口から話すのは初めてで、今の時代、珍しくもないことだとわかっていても、自分のことになると後ろめたさを感じていた。
 ところが、専門学校に通って資格を取ったことのほうにインパクトが強かったようで、「ようがんばったね」と笑顔で受け入れてもらえて、じんわりと体が暖かくなった。
 学生時代、栄養士の資格を取るために頑張った仲間だから大変さをわかってもらえるのだ。白衣や実習着を着て遅くまで学校に残っていた皆の姿が思い出される。
皆、それぞれの暮らしの中で精一杯、花を咲かせ続けていて「生き方が形になってくる年齢になっている」と感じる時間だった。
 これから私たちの物語は終章に進んでいく。
山場はいくつもあるだろうが、年齢を財産にして「ようがんばっとるよね」とお互いにエールを送りながらいつまでも繋がっていたい。

「平成26年度同窓会総会を終えて」

同窓会幹事代表 幼児教育学科31期生  那須 千賀さん(久留米信愛だよりNo.50)
 平成二十七年二月一日(土)午前十時三十分より、ハイネスホテル・久留米にて「平成二十六年度久留米信愛女学院短期大学同窓会総会」を開催いたしました。
 総会では、滞りなく議事が進行し、全員一致にて、承認をいただく事ができました。
 講演会では、医療法人聖粒会慈恵病院の理事長兼院長の蓮田太二先生を講師にお迎えし、「命の大切さと教育の在り方~こうのとりのゆりかごの設置をとおして~」をテーマに、救える命は救いたいという熱い思いや、子どもには家庭はもちろんのこと、社会全体の愛が不可欠であること等を学び、心に残る講演をして頂きました。
 懇親会では、母校を代表して副学長(現学長)の関聡先生よりご挨拶をいただきました。久しぶりの恩師との再会で、思い出話に花が咲き、懐かしく楽しい一時を過ごすことができました。
 最後になりましたが、恩師の先生方、同窓生の皆様のご出席を賜り、ありがとうございました。盛会のうちに無事終了することができ、深く感謝申し上げます。

「食」を通じて人と人のつながりを

食物栄養科11期生  岳 美佐代さん(久留米信愛だよりNo.49)
  私は、食物栄養専攻の第十一期卒業生です。卒業後は、信愛短大で実習補助員として四年間、病院の栄養士として二年間、結婚後はしばらく子育て、専業主婦をしていましたが、ここ十年くらいは、大学や施設などで「食」に関係する仕事をしています。
 大学では、若い学生と接するなど、仕事をしながら一緒に学ぶことができました。そこで感じたことは、ここ十年間で食生活がかなり変化していることです。特に五百ミリリットルのペットボトルの飲料水が販売されるようになって、若い人たちのジュースの飲用が増加していると思います。
 「食」という字は、人に良いと書きます。人が何を選んで食べるかは自由ですが、食べることによって体や心が作られることを、家庭や学校でしっかり指導するべきだと思います。女性も仕事をする時代になり、母親である私たちも忙しくなりました。食は、外食、中食、レトルト食品など多様化され、手抜きできる時代です。でも今こそもう一度家庭での食事を見直す時代になってきていると思います。
 一品料理の個食、一人で食べる孤食が家庭でも増えています。社会でもネットやスマホの普及で人と直接話をしたり会食したりする機会が以前より減っています。
 「和食」がユネスコ無形文化遺産になりました。この機会に「食」の大切さ、家庭団らん、人と人とのつながりを考えなおしてみませんか。そしてもう一度、和食の良さを学んでみませんか。
 私は、これからも家庭でも仕事でもみんなが笑顔になれるおいしい食事を提供し、「食」の大切さを学び伝えていきたいと思います。

「日本一、小さな動物園」

食物栄養科8期生  豊福 千穂さん(久留米信愛だよりNo.48)
   昭和三十年代、日々年を経ると、後ろを向き、あの頃をなつかしむ。
 現在の久留米市鳥類センターの前身、三本松公園の広場。そこはアーチ型のオリが入口にあり、リスが駆けまわり、近郷のあちこちから寄贈されたムササビ、タヌキ、山羊等が展示されていた。目玉はインド孔雀のはなし飼い展示。あまり飛べない彼等もジャングルを思い描いてか、電線に羽を休める。その重さにたわんだ電線と不格好で優雅な鳥の写真が当時の新聞をにぎわせた。
 そこは全くの私設動物園としてはじまる。その中心人物は冠婚葬祭業で有名な木下勇氏その人である。
 その昔、この動物園の歴史を尋ねたことがある。茶色く焼けた手描きの平面図。そこには贈った方々の○○村という住所。まさに手づくり動物園の感あり、であった。
 現在の久留米、様々な巨人の偉業で彩られている。しかし、彼等であっても最初はかすかなうぶ声だったんだ。
 信愛もしかり、ひとつぶのタネが落ち芽を出し生きているあいだ輝き続ける。そして人生が終わろうとも次のどこかで……。と考えてみたらどうだろう。あなたにも何らかの使命があって生かされているんだとしたら。  なんにもなくても信愛女学院の正門をくぐり、マリア様に挨拶をし、同窓会のドアをノックして欲しい。私達は待っています。いつまでも……。

「あめのみつかいの」

幼児教育科5期生  酒井 都代子さん(久留米信愛だよりNo.47)
「あめのみつかいの」だ…。娘の口づさむ歌に耳を傾け、ふと手を止めた。父の忌引きの為、一週間出遅れた生活発表会の用品作り。とにかく遅れを取り戻そうと居間を占領しての作業中、聞き覚えのあるその曲のアルトパートが自然と出てきた。二番の歌詞まで歌えてしまった私に「お母さんすごい」と娘。我ながら卒業後二十五年目、よくぞハモれたものだと苦笑した。そして一九八六年のクリスマスが思い出された。その年、石橋文化ホールで信愛のクリスマスコンサートが催されることとなり、私達のセミナーがオペレッタを上演させて頂くことになった。ある日、大道具の「お菓子の家」が届く予定が、何らかの理由で浮羽までトラックで取りに行く手が要ることになった。自家用トラックを持つ父に友人から頼まれ渋々電話をすることに。当時私は口やかましい父を嫌っていたのだ。(私の頼みなんかすぐ却下されるはず…)。ところが、父は都合をつけすぐに駆けつけてくれた。意外な父の行動に私は戸惑い素直な言葉を言い出せなかった。
 居間で用具を作りつつ、私は潤んで手元が見えなくなっていった。二十五年間仕事も育児もと欲張ってきた私。私は、決して一人の力でここまで来れた訳ではなかったのだ。亡くなる前日、私を「疲れちょろう。はよ帰れ。」と帰した父。今春カトリック校へと進学した娘の歌で思い出されたのは、不器用な父の愛であった。兄妹中で性格が一番父に似ている私。日々の忙しさを言い訳にせず、前を向き、毅然として生きて行こう。そうすることが何よりの親孝行と信じている。「あめのみつかいの」心に残る歌に大感謝。

「大切な日常」

食物栄養科1期生  石井 妙子さん(久留米信愛だよりNo.46)
「ホークス負けたね」、カチン!朝一番の運転手との会話が始まります。第二の就職先である佐賀県神埼市の西九州大学に通勤するのに、JRはとても不便で、西鉄小郡駅と大学の間を、鳥栖在住の私の叔父にお抱え運転手をお願いしています。叔父といっても、僅か八歳しか離れておらず学生には夫婦と思われているようです。お互い嫌な気分なのですが。この運転手、若いときはジャニーズ系のかわいい顔をしていたのですが、今はただの爺さんで、若い時は気難しかった性格(身内だけ)が、今は博識のお喋りで、車中ずっと話をしています。勿論、私が黙っているはずもなく、時々睡魔に襲われて気を失うか、野球中継以外は賑やかです。話題は多岐に渡り、特に植物と蝶と鳥が多いようです。“カチガラス”“なんじゃもんじゃの木”“皇帝ダリア”など、叔父から教えてもらい、インターネットで確認する作業を繰り返す日々は新鮮です。佐賀県の情報にも詳しくなりました。郷土が生んだ歌人、中島哀浪「柿もぐと、木に登りたる日和なり」、また鳥栖に残る史蹟、「勝尾城」の話は、この一年で三度ほど聞かされましたが、筑紫氏が島津が大友が、と言われても、頭に残っていないのは残念な限りです。ま、あまり興味がないという事でしょうか。「東大話法」の話もしましたが、そう言えば、時々「上から眼線」で否定から入り、相手より優位なスタンスで話をする事があるは、“コレ?”と思うのですが、東大ならぬ九大ですがね。私が大学に勤めなければ、数多い親戚の中で、この叔父とたっぷりとゆっくりと話す機会は無かったと思います。ボケ防止にもなるだろう若い人相手の仕事と、思わぬ触れ合いの日常に感謝です。

「手づくり」のある暮らし

食物栄養科18期生  良永 景子さん(久留米信愛だよりNo.46)
 手づくりのウエディングドレスで結婚式を挙げてから20年近くが経ちました。今は神奈川県川崎市に夫と息子二人と暮らしております。
 普段、主に綿や麻の素材を使ってモノ作りをしています。バッグやポーチなどの実用品、ランチョンマットやコースターなどのキッチン小物、時には、赤ちゃんの布おもちゃなど、オリジナルデザイン中心のモノ作りです。  ある日の我が家の様子です。息子つながりの友人がお友達三人を誘って我が家にみえました。アクリル毛糸を使ってシュシュとアクリルタワシを作る講習会参加のためです。私が作った物を見て自分でも作ってみたいと実現した講習会でした。
編み物の経験がない方々でしたが、二時間程で仕上げられました。恥ずかしながら手づくりの昼食をお出しします。手づくりのランチョンマットやコースターでおもてなし。テーブルには、ベランダの鉢から緑を飾り花瓶敷きにも手づくりものを。我が家の手づくり品を楽しんでいただいてお帰りになりました。
 我が家には、夫が作った木工の棚がたくさんあります。また、食器には祖母が作った陶芸品がいくつもあります。子ども達が使うものには、手づくりの布物がたくさんあります。
 「手づくり」には、作り手の温かい想いが込められ、それが身近であるほど、より温かく感じる気がします。講習会にいらっしゃった方から感想をいただきました。幼稚園に通う娘さんがママの手づくりをとても喜んで、すぐにシュシュで髪を結わえてお出かけしたとのこと。編み物が苦手な方でしたがとても嬉しそうでした。  手づくりに囲まれて過ごす幸せを日々感じております。

母校だより

母校では、たくさんの公開講座が企画されています。久しぶりに母校で学ぶ時間を過ごされてはいかがでしょうか。

キャンパスグッズ

レターセット
250円
(便箋20枚:150円)
(封筒5枚:100円)
りかちゃんキーホルダー
500円
切手シート
1,000円
クリアファイル
300円