2024年11月01日

11月の読書のテーマは?

今月の読書のテーマは「水の大切さを知ろう」です。 
 以前、旅先のホテルで断水を経験したことがあります。復旧はいつになるかわからないと言われ、ペットボトルの水が数本支給されました。幸い数時間後に復旧しましたが、あの時のストレスと心細さは、今でも忘れることができません。
 しかし水に関する本を読んで、そんな自分の経験や心細い思いなどはまだいいほうだということを思い知りました。
 人口増、生活・産業での水大量消費と汚染、気候変動などが原因で、水を巡る世界の状況は私たちの想像よりもはるかに深刻です。
 たとえば小麦1㎏を生産するためには、1000ℓもの水が必要なのだそうです。日本が小麦を輸入したら、輸入先の国は日本のために大量の水を消費することになってしまいます。それは食料に限りません。製品の生産や発電のためには、多くの水を必要とします。その過程で環境は破壊され、ただでさえ貴重な水資源はますます少なくなっていくのです。
 こうしたことで、25年後の2050年には、4人に1人(世界人口の40%以上)が水を得るのが難しい状況になると予想されています。
 すぐに解決できることではありませんが、それでも「知る」ことは力になる、と思います。そして本には、水問題を解決する方法やヒントもたくさん提示されています。これからの自分の行動を変えていけば、水を循環させる持続可能な社会に近づけていくことができるでしょう。 
 水を使う時だけでなく、生活の全てに水が関わっていることを知り、地球上の全ての生物と環境を良くすることをめざしていきませんか?

参考文献
『水がなくなる日』橋本淳司著 産業編集センター 2018
『みずものがたり 水をめぐる7の話』Think the Earthプロジェクト編著 2008