2025年06月03日

6月の読書のテーマは?

今月の読書のテーマは、「日本と世界のことわざを比較しよう」です。
ことわざとは、人の本質や社会でよく起こることを短い言葉で表現したものです。比喩を用いたり、韻をふんだりして親しみやすさがあります。
さて、世界の言語のほとんどに、ことわざがあると推測されています。「時は金なり」は西欧から、「百聞は一見に如かず」は中国から伝来し、どちらも世界共通のことわざです。
また、同じ意味でも、言い回しが異なるものも多いです。日本での「猫に小判」や「豚に真珠」は、トルコでは「ロバとシロップ」、インドネシアでは「猿と花」など言語によってたとえがさまざまで、その国にとって高価と考えられている物がわかるように思います。
『世界ことわざ比較辞典』(日本ことわざ文化学会編・岩波書店・書架3-8所蔵)は、日本のことわざが見出しで、類似していることわざ、反対の意味のことわざ、各言語でのことわざが書かれています。辞典ですが、1ページずつめくると、日本人と各国人との考え方の共通点や価値観の違い、国民性を読み解くことができ、おもしろいです。
昔から受け継がれてきた真実を今に伝えていることわざは、先人の思考や教えを知る「古典」と通じるものがあります。各国のことわざから人間の歴史や文化も学んでみませんか。