2026年01月05日

1月の読書のテーマは?

 今月の読書のテーマは、「ロシアとウクライナの関係について知ろう」です。
 「復活祭にピサンカを作ることに、世界の運命がかかっている。誰もつくらなかったら、怪物があらわれて、わたしたちをみんな食べてしまう」
 これは、ウクライナに伝わる古い言い伝えだそうです。ピサンカとは、ウクライナの伝統的な卵細工です。殻には美しい模様が描かれており、復活祭には、このピサンカを互いに贈り合う風習があります。この言い伝えからは、「他の誰かが作るだろう」と他人まかせにせず、自分の役割を果たすことの大切さが伝わってきます。
 そのウクライナにロシアが侵攻して、まもなく4年が経とうとしています。もともと両民族は、言語・宗教・文字も同じ系統でしたが、モンゴル支配からの脱却後、それぞれ異なる道を歩み、独自の文化を育んできました。詳しい歴史は専門書に譲りますが、両国の歩みを調べることで、ロシアがウクライナを支配下に置こうとする背景や、世界各国との複雑な関係が見えてきます。また、世界の平和や安全保障が、自分たちの暮らしと密接につながっていることにも気づかされます。
 もちろん、どのような理由があっても、他国への侵略が許されることはありません。ただ、ロシアにも日々の生活を営む人々がいて、ウクライナと同じように豊かな文化を持っていることも確かな事実です。
 たとえば『チムール少年隊』というロシアの古い児童文学には、働き手が戦争に駆り出された家を、少年たちが人知れず水くみや薪割りで助ける姿が描かれています。こうした助け合いは、実際の暮らしの中でも行われていたそうです。
 どの国にも、他者を思いやる温かい人たちが暮らしています。他国について学ぶとき、史実とともに、その文化や人々の気質に触れられる本も、図書館で探してみませんか。

参考文献:『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ』茂木誠著 SBクリエイティブ2015 /『ロシアの歴史』島崎晋著 実業之日本社2022 /『ドラゴンをさがせ』E.L.カニグズバーグ著 岩波書店1991 /『チムール少年隊』A.ガイダール著 岩波書店1957