2024年06月01日

6月の読書のテーマは?

今月の読書のテーマは「短歌を味わおう」です。
短歌は5・7・5・7・7の31音からできている定型詩のことです。
日本でもっとも古い歌集は奈良時代に作られた『万葉集』です。平安時代には『古今和歌集』、鎌倉時代には『新古今和歌集』が編纂されました。その頃は、男女が詠み交わして自らの心を伝える手だてとしてきました。それらを「和歌」と呼んでいましたが、明治30年代をさかいに、「短歌」と呼ぶようになりました。落合直文や正岡子規などが和歌の改新運動を始めたのがきっかけです。落合直文は平易な言葉で作歌できるようにし、貴族や老人のものであった和歌を、若い人でも作れるように努めました。正岡子規は「5・7・5・7・7」に西洋の文学理念を取り入れました。つまり開放的で、より身近なものにしようとしたのです。
短歌は名前の通り短いので、意味が十分に伝わらないこともあると思いますが、歌人たちは声に出して読んだ時に、言葉の響きやリズムが心地よく感じられるように詠んでいます。ぜひ色々な作品を味わってみてください。
そして、みなさんも短歌を作ってみませんか。書いてみることは、自分の考えがまとまり、人に伝える能力を育むので、コミュニケーションに活かされるかもしれません。
この文章を書くのに参考にした『短歌を楽しむ』(栗木京子著・岩波書店)、『親子で楽しむこども短歌教室』(米川千嘉子編著・三省堂)など短歌を知るための本は書架1-6に所蔵しています。短歌を味わうおもしろさや大切さを見つけていただけたらと思います。