2020年08月28日

9月の読書のテーマは?

今月の読書のテーマは「本で旅行気分を味わおう」です。

ふらんすへ行きたしと思へども

ふらんすはあまりに遠し

せめては新しき背廣をきて

きままなる旅にいでてみん

『近代の詩人 七 萩原朔太郎』 萩原朔太郎著 中村真一郎編 潮出版社 1991

 

上は萩原朔太郎の「旅上」という詩で、大正十四年(1925)に発表されました。このころフランスへ行くとしたら、海路で数カ月を要したと思われます。叶わない旅へのあこがれや、切なさが伝わってくる詩ですね。

現代は航空技術の発達により、移動の時間は昔とは比較にならないほど短縮されています。しかし今年に入り、新型コロナウイルスの世界的な流行で、別の意味で旅行が叶わなくなってしまいました。萩原朔太郎は近郊の旅で渇望を癒そうとしたようですが、本を読むことでも、旅の気分を感じられると思います。

例えば紀行本、写真集、地図、ガイドブックなどはどうでしょう。本なら、時と場所を選ばず、旅費もかかりません。各地のおみやげや食(駅弁ふくむ)をテーマにした楽しい本もあります。どうぞ、図書館に探しに来てください。