2023年09月01日

9月の読書のテーマは?

今月の読書のテーマは、「和菓子について調べよう」です。

「遠桜(とおざくら)」、「水の宿(みずのやどり)」、「山路の錦(やまじのにしき)」、「深山の雪(みやまのゆき)」

これらの言葉から、みなさんはどのようなものを連想しますか? きっと、日本の美しい風景などを心に思い浮かべるのではないでしょうか?

実はこれらは、ある老舗和菓子屋の菓銘(和菓子の名前)なのです。左から春・夏・秋・冬の和菓子名を表しています。

全国和菓子協会第2代会長の黒川光朝氏は、和菓子を「五感の芸術」と言いました。「見る」「嗅ぐ」「触れる」「味わう」という楽しみや芸術性があることは分かります。そしてこれらは、和菓子について調べる・知ることでも磨かれます。しかし食べるものに対して「聞く」芸術があるのでしょうか。黒川氏は「雅な菓銘を聞き、言葉の響きや意味、そこから喚起されるイメージを楽しむこと」を和菓子の「聞く」という芸術性であると主張されているのです。

このように五感を使いながら和菓子をいただくと、いっそうおいしく感じられるでしょう。甘味で疲れを癒す効果も期待できます。

また、和菓子は人生の節目にも欠かせないものです。雛あられ、柏餅、千歳あめ、紅白饅頭などを、祝い・祝ってもらいながら食べた思い出がある人も多いのではないでしょうか。

和菓子のことを知って、この素晴らしい文化を継承してゆきませんか?

 

参考文献:『和菓子の基本』枻出版社2016、『美しい和菓子の図鑑』青木直己監修:二見書房2021