2024年02月01日

2月の読書のテーマは?

今月の読書のテーマは「野生動物の習性と動物園の役割について調べてみよう」です。
野生動物とは、自分の力で自然界に生きている動物のことです。みなさんは「野生動物」というと、どのような生き物を思い浮かべますか。最近のニュースでは、クマが人間を襲ったりシカやイノシシが畑を荒らしたりなど、人間に害を加えるという話が取り上げられることがあり、そういった動物を駆除せよという論調も少なくありません。
では人間の生活を脅かす野生動物は、いなくなったほうがよいのでしょうか。
かつてアメリカのイエローストーン国立公園では、家畜を追いかけたり襲ったりするオオカミたちを猟師が銃で撃ち殺していました。しかしオオカミが激減した結果、大型の草食動物が増えすぎ、オオカミが絶滅した後のイエローストーンの植物は大型の草食動物によって食べつくされ、やがてその植物に依存していた野生動物たちも姿を消してしまいました。つまり、オオカミが草食動物を捕食するおかげで生態系全体が保たれていたことがわかったのです。
そこでイエローストーンの自然を元に戻すため、学者たちはオオカミ数頭をイエローストーンに放ちました。そしてオオカミの動きを追跡してデータをとっているうちに、イエローストーンに元の自然が戻ったことを確認できたのです。現在のイエローストーンは、動物も植物も豊かな公園になっています。この、オオカミの消滅と復活を記した『自然を再生させたイエローストーンのオオカミたち』(キャサリン・バー文 化学同人)をぜひ読んでみてください。
このように動物の生きる環境を守るための調査しているのは、実は動物園も同じ役割を果たしているのをご存じですか。
質問です。動物と人間が共存していくためにどうすればよいでしょうか?また、動物園は本当に必要なのでしょうか?
野生動物と人間の関係性について、著者の体験を交えながら書いた『野生動物と共存できるか』『動物を守りたい君へ』(高槻成紀著・岩波書店)、人気動物園になるまでの道のりを描いた『〈旭山動物園〉革命』(小菅正夫著・角川書店)を読むと、質問の答えに近づけるかもしれません。
そのほか、図書館の図書委員展示コーナーと3-10の書架にある本から、自分なりの答えを見つけてみませんか。