今月の読書のテーマは「福岡の郷土料理について知ろう」です。

冷蔵庫や電子レンジもなかった昔は、時間をかけ、工夫をして食をしつらえたり、保存したりしていました。

郷土料理は、そんな昔の人の知恵と、地域ならではの食材があわさって今に伝えられているものです。

現代はインスタント食品や市販のお惣菜などが多く利用されています。しかしそのような加工された食品は、新鮮な食物の持つ栄養やエネルギーと比べると、不足するところがあるように思います。あたたかい手と時間をかけたもの、その代表が郷土料理ではないでしょうか。

「食」という漢字を分けると、「人を良くする」という組み合わせになっています。「良」の部分は本来食器を表すそうですが、それが「良」という形になっているのは興味深い点です。漢字の成り立ちはともかく、食は、体や健康をつくるだけでなく、心も育む大切なことであることには変わりありません。

そして福岡の食を考えた時、福岡はたいへん自然が豊かな土地であると改めて実感します。三つの海と肥沃な平野。農地を潤す豊かな川の水。郷土料理のことを知るとき、私たちがどれほど恵まれた土地で知恵と愛情あふれた文化を享受しているかということに気づくことでしょう。

また、ひと口に福岡と言っても海沿い、山間部、平野など広い地域にわたっています。住んでいる地域、またはなじみのある地域の郷土料理を調べるとおもしろいでしょう。

この機会に、福岡の郷土料理についての本を読んでみませんか。